cinemania 映画の記録

cinemania’s diary

2019-01-01から1年間の記事一覧

ウディ・アレンが「幼児虐待」の醜聞を乗り越えるまで

ウディ・アレンの新作『A Rainy Day in New York』がフランスで公開された。過去の幼児虐待疑惑により、バッシングを受けていたアレンだが、キャリアは復活しつつある。

「Netflix最強コンテンツ、『ストレンジャー・シングス』が変えたもの」(宇野維正 )で、本当は変わっていないもの。

基本的に苦手な人の文章は、なるべく見ないようにしているのだが、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に関するコラムということで、目についてしまった。作品そのものではなく、宣伝についての話だ。news.yahoo.co.jp 宇野はまず、1985年が舞台となる…

ル・モンドの批評家たちを熱狂させた1944年以降の映画100本

『河』ジャン・ルノワール (1951) 『雨月物語』溝口健二 (1953) 『東京物語』小津安二郎 (1953) 『七人の侍』黒澤明 (1954) 『奇跡』カール・テオ・ドライヤー (1955) 『理由なき反抗』ニコラス・レイ (1955) 『めまい』アルフレッド・ヒッチコック (1958) …

てらさわホーク『マーベル映画究極批評』の問題点について

特に前置きもなく始めるが、まず、最初に気になった点。本書には出典の表記が見当たらないのである。 最近、幻冬舎から歴史書という触れ込みで出版された『日本国紀』が、他の文献やウェブからの多数の転載があるにもかかわらず参照元の表記がない点で、厳し…

宇野維正の「なぜ日本では世界的ヒットのアメコミ映画が当たらないのか?」の、事実誤認について。

とあるインタビューを読んだ。 https://www.sbbit.jp/article/cont1/36447 まず、冒頭部分の「映画・音楽ジャーナリストでアメコミ映画にも詳しい宇野維正氏にぶつけてみた」というくだりで、ひどく驚いた。この人が、これまでアメコミについて書いたり話し…

トレヴェニアンが、初心者のために選ぶ1970年以前のベスト映画100

「これら約100本の映画は、昨今の、意識に訴えかけるのではなく、末梢神経を刺激するようにデザインされた、騒がしくインパクト重視で暴力的な映画に曝されることで映画のリテラシーが変化してもなお、一般大衆にとって、娯楽としての価値と重要性を維持して…

『アベンジャーズ/エンドゲーム』脚本家 クリストファー・マーカス、スティーヴン・マクフィリー インタビュー

◯ターニング・ポイントの設定 ーー『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』において、大きな出来事を、どのように配置していったのでしょうか。 クリストファー・マーカス:最大のポイントは、スナップ(指パッチン)ですね。『IW』の最後にやっておか…

作られなかった映画たち スタンリーキューブリック編

スタンリー・キューブリックの生涯については、すでに多くの研究書が出版されている。それらを元に、幻の企画を追ってみよう。 自主制作という形で映画作りを始めたキューブリックが注目を浴びたのは、監督第3作の『現金に体を張れ』だった。MGMのプロデュー…

作られなかった映画たち デヴィッド・フィンチャー編

『宇宙のランデヴー』のイメージボード 著名な監督であれば、実現しなかった企画をいくつも経験するのが普通である。他からオファーを断る場合もあれば、自ら企画を立ち上げながら完成できなかった場合もある。そんな死亡リストの長さを競うなら、デヴィッド…

てらさわホークの『シュワルツェネッガー主義』は、どこが問題なのか。

先日図書館で、てらさわホークの『シュワルツェネッガー主義』(洋泉社)という本を借りてきた。数ヶ月ほど前、新刊書店で見つけたときは、タイトルにも著者名にも惹かれるものがなかったのだが、無料だし暇つぶしにはなるだろうと、軽い気持ちで読み始めた…